しーちゃん、庵くんに挨拶は?

……(沈黙)……

しーちゃん、どうしたの?

…えっと、そのね、しーちゃんは……

(あ、ヤバイ、やっぱり人見知りオーラ
が出ちゃってる〜〜)
お外、遊びに行ってくる!

あ、しーちゃん……。

雫! 待ちなさい……! って
逃げ足速っ!
ちょっと追いかけて捕まえてくるから、
庵くんのこと、お願いね!
とりあえずまぁ、座って。

気にしなくていいよ、しーちゃんはちょっと
人見知りがきつくて。

そうなの? 私の時はそうでもなかったけど。

僕の時は打ち解けるまでにちょっと時間が
かかりましたよ。
それまで一人っ子だったし。

灯さんは二人目だし、お姉さんですからね。
しーちゃん、同じ年くらいの子と会うの初めてで
緊張したんだと思うの。
すぐに仲良くなれると思うの。


大丈夫です、オーナーさんから人見知りするって
聞いてますから。僕、荷物の片づけがあるので
これで失礼しますね。
まったく、かほさんも新しい子をお迎えするなら
お迎えするで話しておいてくれたらいいのに。

そうしたら、しーちゃんにもちょっと心構えが
できるものね。


庵くんは気にしてないって言ったけど、早いうちに
打ち解けてもらったほうがいいよね。

何か作戦を練りましょうか。

どうするのがいいかしらね……


……ここは一発荒療治でどうでしょう?


ももこちゃん、詳しくお願いできる?

では耳を貸してください……。

もはやお約束な「雫人見知り展開」でございます。
でも最初だけなんだよなー、雫の人見知り。
そして画策する大人二人と一匹……。
次へ続きます。